日本の透析医療における基本は、施設で行われる血液透析です。保険診療の範囲内で透析を行うには、回数の制限などの縛りがついてきます。本来、腎臓は24時間・365日働いているものであり、より生理的な状態に近づけるためには、時間を長く、回数を多く透析することが必要であり、そうすれば患者様の生命予後が良くなることは間違いありません。透析時間に制限を設けず、質の良い透析を行うためには、施設で行う透析には不具合が多いのです。
長い時間、あるいは短時間でも回数を多くして透析の質を上げることを目指すなら、縛りのない「在宅血液透析」がまず選ばれるべきなのです。在宅血液透析の長所としては、ライフスタイルに合わせてフレキシブルにスケジュールを組める点、フルタイム勤務など、もともとの生活スタイルを崩すことなく、職場にも気兼ねすることもなく透析をすることができます。社会生活の面でも有用で、生命予後も良くなる点からも、特に若い方で社会復帰を望んでいる方には選ばれるべき方法かと思います。通常のクリニックで行う保険診療での透析に対する限界を我々も感じており、それを打破する方法として、我々がもつ在宅血液透析という手段・ノウハウを多くの方に提供していきたいと思っております。